全従業員対象の定量のデータから、活力ある組織に向けた本質的な課題を抽出します。
事例研究・コラム

Vol.15 職場の魅力を高めるために

                    
NEOS-Basic

  前回の『会社の魅力を高めるために』では、動機づけと経営施策の納得度を高めることの重要性について述べ、その実現のために上司や経営陣がどのような取り組み・行動ができるかを探った。そこで、今回はもう一つの総合指標である『職場の総合的魅力』を取り上げ、これを高める要因について考えてみたい。

 下の(表1)は、2015年以降に調査を実施した企業7社(※約5200名)において、『職場の総合的魅力』の相関分析で共通して上位に挙げられた項目を整理し直したものだ。これを見ると、「仕事のやりがい」以外は全て上司に関する項目となっており、職場の魅力を高める上で、上司の果たす役割の大きさが改めて示された結果と言える。さらに細かく見ていくと、上司関連項目は『総合評価』『管理能力』『人間配慮機能』の3分野に分類でき、この中で業務場面における支援やサポートの実践度を問う『人間配慮機能』は、導入企業の多くで低い傾向にあり、状況に応じて上司が率先して援助やフォローを行うことが求められる。

 その他では、「他の職場との連絡・調整」が挙げられた。この項目は、弊社の『コンプライアンス意識調査』でも測定しており、業務がスムーズに進むよう、部門の垣根を越えた行動がとれているかを聞いている。仮に、職場内でトラブルや部下の困りごとに遭遇した際、上司としてそれを放置することは、コンプライアンス上問題があるだけでなく、職場の魅力を損なう要因にもなりかねないというわけである。日々の会話の中で、部下や職場内の変化に気づくことができるかどうかと、気づいた後に適切な行動がとれるかどうかがポイントとなりそうだ。

 今回の分析では、上司に関する項目が多く挙げられたが、総じて言えることは、上司が自ら率先して行動することが、職場づくりにおいていかに重要かという点である。そのためには、部下が普段何に困り、何を求めているのかを把握する必要がある。『従業員意識調査』はそれらを知る最良の手段ではないだろうか。


(表1)『職場の総合的魅力』と相関の高い上位項目(※7社分析結果より)

項目
分野
該当社数
仕事のやりがい 仕事の魅力
6社/7社
上司に対する評価 上司の総合評価
5社/7社
上司の頼りがい・信頼感 上司の総合評価
5社/7社
他の職場との連絡・調整 上司の管理能力
5社/7社
失敗に対する配慮 上司の人間配慮機能
4社/7社
合理的な仕事の割当 上司の管理能力
4社/7社
側面からの援助 上司の人間配慮機能
4社/7社

【対象企業概要】
2015年から2017年に調査を実施した企業7社約5200名
内訳:製造業3社/非製造業4社


株式会社日本経営協会総合研究所 研究員 吉川 和宏

【経歴】
大学卒業後、金融機関勤務を経て、(株)日本経営協会総合研究所入社。現在は、主に従業員意識調査およびコンプライアンス意識調査を担当。調査から得られる数値情報を基に、各企業の組織改善のための指導・支援を行っている。産業カウンセラー。

プライバシーポリシー | 個人情報保護方針
特集・コラムピックアップ

ダイバーシティ推進の”虎の巻”

更新日 2017/06/29

カタチだけではない、現実的なダイバーシティを推進するために、『データ』に基づく事例やポイントを不定期で連載します。

従業員意識調査NEOS通信

更新日 2017/10/06

従業員意識調査NEOSに関する分析コラム

セミナーレポート

更新日 2017/04/05

全国各地で開催しております弊社のNEOSセミナーのレポートをお届けします。

コンプライアンス実践のコツ

更新日 2016/05/19

『コンプライアンス意識調査』の蓄積データから判明したことや、現場(リアル)とデータの間で気ついたことなどを、不定期で連載します

従業員意識調査『NEOS』から見た組織

更新日 2015/09/01

従業員意識調査『NEOS』では、長年の調査実績から各時代の組織の現状が的確に押さえています。これらの調査結果を分析し、活力ある組織にむけ、取り組むべきポイントを3回にわたり弊社の主席研究員加藤が分かりやすく解説いたします。

セミナー情報