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事例研究・コラム

Vol.2 従業員のストレスに影響を及ぼす職場要因

                    
NEOS-Basic

 従業員のストレスチェックが関心を集める中、A社(情報サービス、約1,200名)では毎年行っている従業員意識調査の結果を用い、職場(各部署)おけるストレス状態の現状を把握するための分析を行った。分析方法は以下の通りである。

【分析方法】
社内の全部署について、『ストレス状態』の高群(良好群)と低群(課題あり群)に分類し、2群間の違いを分析した。高群・低群の基準については、意識調査の評価基準(良好/問題あり)を採用した。

 分析(図1参照)の結果、ストレスが良好な職場(部署)では、上司による残業削減への配慮など、仕事の負荷をコントロールする取組みがなされており、部下から上司へのボトムアップのコミュニケーションが機能していることが確認された。また、業務場面において上司が積極的に部下と関わり合いをもっているという特徴も明らかとなった。

 センシティブな対応が求められるこの分野において、対個人ではなく職場(部門や部署など)単位で考えることで、ストレス対策の可能性を広げることができるのではないか。例えば、仮にメンタル不全で休職者が出た場合、同じ職場にその予備軍がどの程度いるのかを推察する客観的な資料として利用することも可能である。
 ストレス対策では、事後対応も重要だが、いかに未然に対策がとれるかがカギとなる。今回のA社のように、職場とストレスの関係を明らかにすることで、会社(管理部門)としてその後の対策を検討するヒントとなるのではないだろうか。


【ストレス状態が良好な職場に見られる特徴】
1.仕事の負荷感への配慮がなされていること(上司による残業削減の努力等)
2.ボトムアップのコミュニケーションが機能していること(苦情の吸い上げ等)
3.業務場面において上司が部下と積極的に関わり合いをもっていること(明確な仕事の指示等)


【関連資料】
(図1)ストレス状態の高群(良好群)と低群(課題あり群)で差の大きい上位10項目


(図1)ストレス状態の高群(良好群)と低群(課題あり群)で差の大きい上位10項目

(図2)所属別『仕事の負荷感』と『ストレス状態』散布図


(図2)所属別『仕事の負荷感』と『ストレス状態』散布図

株式会社日本経営協会総合研究所 研究員 吉川 和宏

【経歴】
大学卒業後、金融機関勤務を経て、(株)日本経営協会総合研究所入社。現在は、主に従業員意識調査およびコンプライアンス意識調査を担当。調査から得られる数値情報を基に、各企業の組織改善のための指導・支援を行っている。産業カウンセラー。

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